一般的に45~55歳頃に訪れることが多い女性の更年期。 その手前、30代後半~40代前半は「プレ更年期」と呼ばれる時期にあたり、性欲の減退や体の変化を感じやすくなることがあります。これはホルモンバランス、特にエストロゲン(女性ホルモン)やテストステロン(性欲を司るホルモン)の低下が原因の一つです。しかし、対策をとることで性欲やパートナーシップの改善が期待できます。
1. まずは原因を知る
性欲が減少する原因は複合的です。以下の要因が考えられます。
- ホルモンバランスの変化:更年期や加齢に伴うエストロゲンやテストステロンの低下。
- ストレス・疲労:仕事や家事、子育てなどによる精神的・肉体的な疲れ。
- 心理的要因:パートナーとの関係性やコミュニケーション不足。
- 身体的な不調:腟の乾燥や性交痛など、性行為が快適でない場合。
2. 解決方法
① パートナーとのコミュニケーション
- 本音を話す:夫に現状を正直に伝え、お互いの理解を深めることが重要です。「最近、体や気持ちに変化があって…」など、気持ちを打ち明けるきっかけをつくりましょう。
- スキンシップを増やす:性行為にとらわれず、キスやハグ、手をつなぐなどのスキンシップを増やすことで、心のつながりを強化できます。
② 身体のケア
•ホルモン補充療法(HRT)
医師に相談してホルモンバランスを整える治療を検討するのも一つの方法です。エストロゲン補充により、腟の潤いが改善し、性欲の回復が期待できます。
•デリケートゾーンケア
腟乾燥や性交痛がある場合は、潤滑剤やデリケートゾーン専用の保湿ジェルを使うと効果的です。また、骨盤底筋エクササイズ(いわゆる「腟トレ」)を日常に取り入れることで、血流を改善し、感度が高まることがあります。
•適切な栄養摂取
性欲に関わるテストステロンの分泌を促す栄養素(ビタミンD、亜鉛、マグネシウムなど)を意識して摂取しましょう。特にナッツ類や魚介類が効果的です。
③ メンタルケア
•ストレスの軽減
リラックスできる時間をつくりましょう。ヨガ、瞑想、マッサージなど、自分をリセットできる時間を意識的に設けることが大切です。
•自分に自信を持つ
外見の変化を気にする方も多いですが、おしゃれやボディケアに時間をかけてみると、気持ちが前向きになります。フェムケア(デリケートゾーンケア)を含めた全身ケアも効果的です。
3. 無理せず性行為を再定義する
「若いころと同じように頻繁であるべき」といった固定観念にとらわれる必要はありません。性行為そのものよりも、「二人で心地よい時間を共有すること」にフォーカスしてみましょう。会話やスキンシップを楽しむことが、再び性欲を高めるきっかけになるかもしれません。
4. 相談先を活用する
婦人科やペインクリニック、性科学を専門とする医師に相談するのも一つの手です。
近年は、「オンライン診療」を取り入れているクリニックが増えています。自宅からプライバシーを守りながら、気軽に専門の医師に相談できます。自分のペースで悩みを話せるため、対面の診療に抵抗がある方でもご利用できます。
まとめ
性欲の低下は、ホルモンバランスや心理的な要因などが複雑に絡み合ったものです。パートナーとのコミュニケーションを重視し、身体と心のケアを積極的に行うことで、より充実した夫婦関係を築いていけるでしょう。