日本の若い年代に増加中。EDの原因とセルフチェック

セクシャルウェルネス

2025年10月28日

ED(勃起不全)は、年齢を問わず深刻な問題です。2024年の調査で、20代の日本人男性のED有病率が中高年とほぼ同等であることが明らかになりました。本記事では、若い男性に多いEDの原因とセルフチェック法をご紹介します。

日本の若者にEDが増えている

2024年に、日本人のEDについて全国調査が行われました。さまざまな方法で評価されましたが、日本人に最も適すると考えられるEHS(勃起の硬さスコア)による評価では、日本人男性のうちの30.9%、約1,400万人がEDに悩んでいることがわかったのです。
さらにこの調査では、20代の有病率は30代や40代よりも高く、特に20~24歳のEDの悩みの確率は50~54歳とほぼ同水準であることが示されました1)。現代社会特有の生活習慣や環境要因は、若い世代のEDに大きく影響しているようです。

EDを引き起こす主な原因

EDの原因にはさまざまなものがありますが、心理的要因と身体的要因に大きく分けられます。

心理的要因

  • 不安
  • ストレスや精神的な緊張
  • 自己評価の低下
  • 人間関係の問題(パートナーとの不和、コミュニケーション不足など)
  • プレッシャーや社会的役割に関する不安
  • うつ、抑うつ状態 など2)

現代の若い男性のEDの原因は、心理的要因が大半を占めています3)。仕事のプレッシャーや将来への不安、SNSによる比較ストレスなど、多くの精神的負担を抱えがちであるためだと考えられます。

身体的要因

  • 喫煙
  • 過度の飲酒
  • 運動不足
  • 食生活の乱れ
  • 睡眠不足
  • 肥満 など

心理的要因ほどではありませんが、勃起は血流によって維持されるため、慢性的な血行不良につながる生活習慣もEDの原因になります2)

セルフチェックしてみよう

ここで、一般的なチェックに用いられるIIEF(国際勃起機能スコア)の簡易版(IIEF-5)をご紹介します。
自分がEDに該当するかどうかセルフチェックしてみましょう。
過去6ヶ月間について、各質問を1点(ほとんどなかった)〜5点(ほとんど毎回もしくは全ての回でできた)で採点し、得点を合計してください。

1.勃起してそれを維持する自信はどの程度ありましたか
2.性的刺激によって勃起した時,どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか
3.性交の際,挿入後にどれくらいの頻度で勃起を維持できましたか
4.性交の際,性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか
5.性交を試みた時,どれくらいの頻度で性交に満足できましたか

(引用:日本性機能学会/日本泌尿器科学会編. ED診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル株式会社,p38.)

22点以上が正常と評価され、合計得点が低いほど重度のEDが疑われます。

まとめ

若い世代のEDは決して珍しいことではなく、背景には現代の心理的ストレスや生活習慣があります。改善するためには、精神面のケアとともに、生活習慣の改善を心がけましょう。セルフチェックで気になる結果が出たら、必要に応じて医療機関の受診も検討してみてください。

監修

宮本亜希子 先生
BIANCA CLINIC 女性医療クリニックLUNA スワンクリニック銀座

参考文献

1)Akira Tsujimura et al.Erectile Function and Sexual Activity Are Declining in the Younger Generation: Results from a National Survey in Japan.World J Mens Health.2025 Jan,43(1),p.239-248.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39344114/

2)日本性機能学会/日本泌尿器科学会編. ED診療ガイドライン[第3版]. リッチヒルメディカル株式会社,2018.p8-21,49
https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/26_ed_v3.pdf

3)Valentina Ciaccio et al. Psychological Factors Related to Impotence as a Sexual Dysfunction in Young Men: A Literature Scan for Noteworthy Research Frameworks.Clin Pract.2022 Jul,12(4),p.501-512.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35892440/

執筆

臨床検査技師 佐々木祐子さん