豊かな性生活のために!性交痛を改善するための5つの対処法を解説

性交痛に悩む女性は、実は少なくありません。
「痛みを感じるのは自分だけ?」「誰に相談すればよいかわからない」
などと、誰にも打ち明けられず、やり過ごしてきた方もいるのではないでしょうか?

本記事では、性交痛の原因や対処法について解説します。性交痛を改善させ、大切なパートナーとの性生活を楽しむためのヒントがみつかるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

性交痛とは?

性交痛とは、性行為の最中や、行為の後に感じる不快感・痛みのことです。膣の入り口がヒリヒリしたり、奥に当たるとズキズキとした痛みを感じたりするなど、痛みの感じ方は原因によって異なります。

性交痛の主な原因とは?

性交痛の主な原因を知り、適切な対処につなげることが大切です。原因として、以下の4つが挙げられます。

  • 前戯不足や精神的なストレス
  • 女性ホルモンの変化
  • 過度な洗浄による膣内の乾燥
  • 婦人科系疾患(感染症、子宮内膜症、膣炎など)

それぞれについて詳しくみていきましょう。

前戯不足や精神的なストレス

女性が性的な興奮を感じると、膣壁から潤滑液が分泌されます。性的な興奮が不足している場合や精神的なストレス(不安・緊張・プレッシャーなど)により、膣の潤滑液が分泌されにくくなると、乾燥による摩擦が生じて痛みを感じやすくなります1)

女性ホルモンの変化

産後のホルモンバランスの変化により、膣からの潤滑液が分泌されにくくなることがあります1)
また更年期以降、女性ホルモンが低下することも性交痛の原因の一つです。膣の粘膜が萎縮し、摩擦に耐えにくくなるために、痛みを感じやすくなります2)

過度な洗浄による乾燥

デリケートゾーンを洗いすぎて皮膚に必要な皮脂まで除去してしまうと、外陰部の皮膚が乾燥します。また膣内を洗いすぎると、膣内の常在菌(乳酸菌)や帯下が減ってしまい性交時の痛みにつながることがあります。

婦人科系疾患

子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患や、性器クラミジア感染症、カンジダ外陰腟炎などの感染症により性交時の痛みが生じることもあります1)

性交痛を和らげる、5つの方法について紹介します。

1.潤滑剤を使用する

膣分泌液が十分でない場合には、潤滑剤を使用し、性行為時の摩擦を減らしましょう。

2.デリケートゾーンを保湿する

デリケートゾーンの乾燥により、性行為時に摩擦が起こったり粘膜が傷ついたりして、痛みを生じることがあります。乾燥を防ぐため、デリケートゾーン専用の保湿剤を使用するとよいでしょう。デリケートゾーンを洗うときは、強くこすらないようにするのが大切です。

3.リラックスする

性行為のときの緊張やストレスが、膣分泌液の分泌低下につながり、痛みの原因となる可能性があります。行為前の入浴や、アロマの活用など、自分に合ったリラックス方法をみつけましょう。

4.パートナーと話し合う

パートナーに「少し痛みがあって…」と伝え、性交時に感じている痛みや不安を打ち明けることが、改善のための第一歩です。前戯を十分に行う、体位を工夫するなど、2人で解決策を探りましょう。

5.専門家に相談する

婦人科系疾患を抱えている場合や、過去の不快な記憶が性交痛の原因となっている場合は、上記の対処法だけでは改善が期待できません1)3)。専門的な治療やカウンセリングが必要な可能性もありますので、1人で悩まず婦人科医に相談することをおすすめします。

性交痛を1人で悩まないで!

性交痛は珍しい症状ではありません。原因を知り、適切にケアすることで改善が期待できます。
1人で悩まず、パートナーや専門家に相談しましょう。パートナーとのより豊かな性生活のための第一歩を今日から踏み出してみませんか?

監修

柴田綾子 先生
淀川キリスト教病院 医長

参考文献

1)一般社団法人 日本家族計画協会 :性交痛の原因と解消法
https://www.jfpa.or.jp/luve-jelly/coital-pain/

2)公益社団法人 日本産婦人科学会 :女性の健康Q&A 「性交痛があります。どうしたらいいですか?」
https://www.jaog.or.jp/qa/menopause/jyosei200212/

3)日本女性心身医学会. 女性の性機能障害(Female sexual dysfunction ; FSD)
https://www.jspog.com/general/details_81.html